性格は否定せずに行動を正す – 部下や後輩等の指導教育における注意したいポイント
性格は否定しないで行動を正す – 部下や後輩等の指導教育の注意点
会社員時代に、「なるほどな」と勉強になったことがあります。それが記事タイトルで示してある「性格は否定せずに行動を正す」ということです。部下や後輩の指導はもちろん、自分自身にも言えることでとても心に響いた言葉でした。
そこで、教育や指導で悩んでいる人や、自分自身をつい否定してしまいがちの人などの気付きになればと思い、この言葉をもう少し詳しく紹介してみたいと思います。
性格は否定せずに行動を正すことが大事
私たちは部下や後輩がミスや失敗をしたときに、的確に注意・指導することで成長するための意識付けをおこなうことができます。
しかしながら、的確に教育するのは決して簡単なことではありません。
実際に後輩や部下がミスしたときなどは、感情的に相手を否定したりする人も少なくないのではないでしょうか。その際に問題になるのが相手の性格までも否定してしまうことです。
性格を否定してしまうと人格否定に陥る
部下や後輩がミス・失敗したときには、行動を見直すように教えなければなりません。もし行動ではなく、相手の性格までも否定してしまった場合は、人格否定につながることになってしまいます。
そうなってしまえば、部下や後輩は精神的に苦しむことになり、
- 自信を喪失する
- 病んでしまう
- 体調を崩す
- ますます仕事に集中できなくなりミスや失敗が増える
- 上司や先輩を慕うことができず信頼関係は崩壊する
などというようなことになりかねません。
感情的になって相手の人格まで否定してしまうことは、誰にとってもメリットはありません。
またなにより、性格というものは性質のようなものであり、本来は直す必要はないものなのです。性格を否定する際は指導側に問題があります。
次章をご覧ください。
性格は「良い部分」と「悪い部分」を持った両面的な性質
よく「あの子は性格が良い」とか、「彼は性格に問題がある」など表現されることがあります。しかしながら、それぞれの性格の良い部分・悪い部分にだけフォーカスが充てられているにすぎません。
性格というのは、長所と短所を兼ねそろえた両面性のあるものだからです。
たとえば、優しくて良い性格は、優しいという長所の反面、優柔不断であったり、勇敢さに欠けるかもしれません。
一方で、否定的・批判的で性格が悪そうに見えても、分析力に長けていたり、慎重で注意深く物事を考えられる側面も持っていることになります。
上記のように性格には両面性があるので、局所的な部分だけを見て性格の良し悪しを判断するのは良くありません。
たいていの場合は性格に問題があるのではなく、行動に問題があったり、性格に合わないことをしていることが問題だったりするのです。
性格を変えるのは難しいが行動は変えやすい
性格は生まれ育った環境で時間をかけて形成されてきたものなので、直ぐに変わるものではありません。それに前述したとおり本来変える必要があるものでもありません。
しかしながら、私たちは行動を変えることができます。
行動を正すように意識させたり、正すための方法などを教育していくことで、人格を否定することなく、成長の機会を与えることができるようになります。
例えば面倒くさがりな性格な人がいて、その人が依頼したこと無視してやらなかったとします。この場合は、面倒くさがりな性格や、やる気のなさを否定する必要はありません。ただ単に、「依頼したことを無視したという行動だけが間違っている」ということを伝え正すようにするのです。
そうやって行動レベルで指摘することで、指摘された本人は自身に合わせた方法で正す努力をするでしょう。
しかしながら、もし性格レベルで
- 面倒くさがりなとこが悪いから直しなさい
- やる気の無い性格をどうにかしなさい
というような性格レベルで指摘しても、それはすぐに直るものでもなく両面性を持つ性格を否定することになります。
面倒くさがりなところや、やる気のなさ等はつい指摘してしまいがちですが、性格ではなく行動を正すように心掛けていきましょう。
そして「性格ではなく行動を正す」という心掛けは、後輩や部下への指導時はもちろん、自分自身を見つめ直す際にも意識するが大切です。
自分の性格の両面性の悪い部分を見るのではなく、両面性のある性格を認めながら、行動を見つめ直して正していくことを心掛けましょう。