問題解決能力を劇的に向上する方法 – プロのSE流 フレームワークを用いた問題解決方法
社会で生きていくうえで必要な「問題解決能力」
今回の記事では、問題解決能力を劇的に向上する方法を伝授します! システムエンジニア流の「フレームワークを用いた解決方法」を学び、どんな問題でも対応できるような問題解決能力を身につけましょう。
- 目次 -
システムエンジニア(SE)は問題を解決するプロフェッショナル
システムエンジニア(SE)とはIT技術を利用してお客様の問題を解決する職業です。一見、パソコンやIT・WEBに強い人というイメージを持たれがちですが、実はSEのスゴイところというのはパソコンの知識や技術だけでなく、問題解決能力の高さも挙げられます。
SEの特徴
- パソコンを利用したIT・WEBスキルが高い
- お客様の問題を解決するための提案力・問題解決能力が高い
実際にSEが身につけているIT・WEB技術というのは、お客様の問題を解決するための手段でしかありません。あくまで、SEは問題を解決することが求められるのです。
たとえば、SEのお仕事風景では以下のようなシーンが日常茶飯事に行われています。
SEの日常会話
お客様:「○○なことをしたいんだけど、どうすればいいかな??」
SE:「それならIT技術を活用してXXXすることで実現できます。」
お客様:「そうなのか!ぜひお願いしたい!」
SE:「承知しました!」
このように、SEはお客様の問題に向き合い解決していくのです。そのため、SEは問題解決のための提案力や解決能力が求められるのと同時に、SEとして仕事をしていれば嫌でも問題解決能力が身についていくのです。
そこで今回、SEとして働いてきた私がSE流の問題の解決方法の1つをご紹介します。
フレームワークを利用したSE流の問題解決方法
具体的には、SEやプログラマーならではのフレームワークを用いたSE流の問題解決方法をご紹介します。
フレームワークというのは枠組みのことで、枠組みというのを利用することで、効率よく物事を考えられるようになり、スピーディーに結果に結びやすくさせてくれます。
今回はSEやプログラマーが大好きな以下のフレームワークを利用します。
SE流の問題解決に向けたフレームワーク
- インプット(情報の入力)
- 加工(情報を加工)
- アウトプット(情報を出力)
上記を意識していくことで問題の解決をおこなっていきます。実はこの3つは、プログラミングで非常に重要な要素になります。この3つの要素を問題解決にも応用していきます。
パソコンというのは、人間から情報をインプットしてもらうことで、計算(加工)を行い、結果をアウトプットします。
- インプットが悪ければ、パソコンは正しい処理を行うことができません。
- パソコンの計算過程がおかしいと、正しい情報を出力できません。
- アウトプットが正しくできなければ、正しい情報があっても出力することができません。
このように、パソコンの処理というのは「インプット」・「加工」・「アウトプット」のどこかに問題があると上手く動作しません。逆に言えば、この3つの要素が正しく動いているときだけ、パソコンは問題なく動いていることになっているのです。
問題解決でも同じように、「インプット」・「加工」・「アウトプット」を正しく行うことで、問題が解決するようにしていきます。
それでは「インプット」・「加工」・「アウトプット」それぞれが正しく動けるようにしていきましょう。具体的な問題例を作りましたので実用していきながら紹介します。
問題例
以下の問題を(インプット・加工・アウトプットの観点を意識しながら)解決しなさい。
「今月に入り、リモプロ社のWEBサイトにおいて、サイト利用者の一部の人が、正しいログイン情報をログイン画面に入力してもログインできていないという問題が発覚した」
それではインプット・加工・アウトプットの観点を意識しながら問題を解いていきます。
インプット
問題解決におけるインプット、それは情報収集力により大きく成果が異なります。私たちは問題に直面したとき、何より冷静に目の前の問題に向き合い観察し、情報を収集することが重要です。
たとえば5W1Hのフレームワークを利用して情報を収集してみましょう。
5W1Hのフレームワーク
- When いつ
- Where どこで
- Who だれが
- What なにを
- Whose なにを持って
- How どのように
以下のように問題を置き換えてみましたので1度やってみてください。
インプット訓練の問題
以下の内容から5W1Hの情報を収集し、回答欄の○○を埋めなさい。
「今月に入り、リモプロ社のWEBサイトにおいて、サイト利用者の一部の人が、正しいログイン情報をログイン画面に入力してもログインできていない。」
回答欄
- When ○○
- Where ○○
- Who ○○
- What ○○
- Whose ○○
- How ○○
インプット訓練の答え
- When 今月~現在なお継続して
- Where リモプロ社のサイトのログイン画面
- Who リモプロ社のサイト利用者でログインを試みた一部の人(人数や対象者は不明)
- What ログインできない(どんなエラーが起きたかは不明)
- Whose 正しいログイン情報
- How ログイン画面にログイン情報を入力
上記のような情報を収集できましたか?
上記どおりの答えにならなくても構いませんが、情報収集能力が高い人ほど、そのまま文章から抜き出すのではなく、情報を観察して必要な情報をたくさん収集することができます。特に不明な情報を見つけることができれば、かなり情報収集能力が高いと言えるでしょう。不明な情報を見つけ明らかにしていくことは、問題解決に大いに役立つ可能性が高いからです。
もし単純に文章から文字を抜き出しただけの人は、情報収集能力を使いこなしていないかもしれません。
必要な情報が正しく収集できなければ問題解決はできませんので、情報収集の大事さを念頭において、日々問題を観察するように心がけてください。
加工
続いて、入手した情報を頼りにして問題解決のための糸口を作る「加工」を行います。
たとえば今回加工してみる情報は、Whenです。
Whenで得られた情報は「今月~現在なお継続して」でしたが、逆に考えてみれば「今月に入ってからダメになったが先月まではOKだった」ことを教えてくれています。
つまり先月末や今月初めに変換点があり、何かしらの影響を受けたという情報に加工することができます。
このように、収集した情報から、問題解決に必要な情報に加工していくことで、アウトプットにつなげていきます。
アウトプット
加工情報を踏まえると、先月末や今月初めに何か影響をあたえるような事象が無かったのか、あらたに情報収集をする必要がありそうだということがわかります。
つまり、アウトプットとして以下を行わなければいけないことがわかりました。
・リモプロ社のWEBサイトや、ログインできない利用者様の環境において、先月末か今月初めあたりに、何らかの変化が無かったか情報収集(インプット)を行う。
一連の流れをまとめると、今回のケースでは以下のように物事が進んでいきました。
インプット -> 加工 -> アウトプット -> インプット…
こうやって必要に応じてインプット~アウトプットまでを何度か繰り返し行うことで、解決に近づいていき、やがては問題を解決できるようになります。
これが「インプット-加工-アウトプット」のフレームワークを用いた「SE流の問題解決方法」です。
問題解決は物事を冷静に順序立てて活路を見出していく
問題が起きたときは、つい焦ったりパニックな状態に陥りがちですが、問題が起きたときこそ、冷静に目の前の問題を観察し、情報収集につとめてください。
その後、収集した情報から、問題解決のための糸口となりそうな情報に加工できないかを考え、アウトプットの行動を試みていきましょう。